脈診を続けて・・・
何も分からずに始めた脈診
久しぶりに読み応えのある書籍に出合えました。
脈診 その手法と古典的背景 という題名の書籍です。
今回扱っている脈診とは古典鍼灸治療において行われる脈診法であり、西洋医によって行われる脈拍を測るものとは違います。
古典鍼灸治療では脈診により病の原因や症候、体調を把握することができ、診断をするための情報を得ることができます。
病の原因を知る上で脈診は大きな手掛かりを教えてくれるのですが、脈診を習得することは長い月日を必要とし、またそれだけに頼って治療をしていくことは困難をきわめます。
中にはゴットハンドと呼ばれる先生がいて脈診だけで治療してしまうことがあるそうですが、その域に達するには最低でも30年はかかるのではないかと言われています。
私は当然脈診以外の視診、触診、問診などを屈指して治療していきます。
その方が確実に患者様のお身体の状態を把握することができ、病の原因に対してピンポイントで治療することができるからです。
脈診だけでも治療することはできますが、それだけでは身体から読み取れる情報が少ないため心許ない治療となってしまいます。
いつか脈診だけで治療することができたらな~、とは思っていますが(笑)
それができるようになるにはまだしばらく先になりそうです・・・
私が脈診を始めたのは学生のころで、その時から師匠から分からなくてもいいから脈を取るクセをつけなさいと言われていました。
その時は脈診を治療に取り入れる気はありませんでしたが、とりあえず言われるがままに脈を診る練習をしていました。(素直で良かった!)
というのも脈診はとても主観的な診断法で治療家によって振れ幅が大きいことがネックになります。
そのため脈診に頼るのは非常に危ない賭けだと考えていたのです。
しかし、脈診を続けていくなかで始めは感じ取れなかった脈の特徴が分かるようになり段々と楽しくなってきました。
脈の深さや強さや形状など一人一人全然違い、体調に合わせた脈状が分かるようになってきたのは5年くらい要したと思います。
それまでは脈の速さを診るのが精いっぱいでしたが、それからは治療に応用できるようになり治療の幅が広がりました。
脈診は奥が深く治療家のレベルに合わせた見方ができ、その他の診断法と合わせることで精度をあげることができます。
脈診は主観的であることがネックだと言いましたが、それは逆に良いところでもあります。
例えば病院では異常がみられない患者さんの場合、客観的なデータを基に治療はできないからです。
検査では異常を見つけられなかった異常を脈診では見つけることができる為治療が可能となります。
よく考えてみたら、僕ら鍼灸師の治療はほぼ主観的な判断が求められんですね。
問診や視診、触診に関しても治療家によってかなりバラつきがみられ、主観に頼った判断が求められます。
私達は感覚を研ぎ澄まし、感じれないものを感じ見えないものを見ることで治療していきます。
だからこそ日々研鑽をしていく必要があるんです。
一朝一夕にはいきませんが、高い山ほど登っていてワクワクするものですね。
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