動悸について 中医学的考察
中医学的な考え方
動悸のことを心悸といい、「驚悸」「正ちゅう」の二つに分けて考えています。
驚悸とは悩み、怒り、恐れ、驚きなどによって誘発され、症状は軽く一時的なものをいいます。
簡単に言えば、ビックリした時に心臓がバクバクとするもので、皆さんも経験されたことはあるかと思います。
それに対して正ちゅうとは、外因がないのにも関わらず動悸を自覚するもので、全身症状が不良で病状は重くなります。
臨床では循環器や呼吸器の疾患や自律神経失調、貧血、ホルモン異常などがあげられます。
原因は様々でいくつかの型に分類することができます
大まかに分類すると
・慢性病、老化、汗をかきすぎたことによる心気虚型、心陽虚型
気を消耗して心の機能が低下している状態で、心陽虚はさらに悪化して手足の冷えを伴うものです。
その他の症状として、息切れ、何もしなくても汗をかく、疲れやすい、記憶力低下など…
治療としては、心気を補い心機能強化はかります。また、体力強化。
・慢性病、外傷、ストレス、貧血による心血虚型
血が不足することで心機能が低下する。
その他症状として、顔面蒼白、不眠、多夢、物忘れ、精神疾患がみられます。
治療として、心血を補います。
また脾虚による栄養不足も考えられますので、脾胃の状態も合わせて診ていきます。
・慢性病やストレスによる自律神経失調、ホルモン異常による心陰虚型
心陰が不足して手足のほてりや、また頭部を滋養できないため、めまいなどの不調を伴うことがあります。
不眠、多夢、物忘れ、寝汗、口が乾くなど…
治療としては心陰を補い、心神を安定させます。
・寒気やストレスによる心血お阻型
疲労時に寒気やストレスが血行不良をもたらし、心血が滞る。心気虚、心血虚、心陰虚の症状がベースにあり引き起こされます。
そのため治療はケースバイケースで対応していきます。
・辛い物の過食や精神的ストレスによる痰火じょう心
ストレスが火化したり、辛い物の過食により、痰(病理産物)と火が結合し痰火となる。そのため、痰火が心血の通路を塞いでしまいます。
その他症状として、胸が熱く苦しい、不眠、多夢、精神異常、顔面紅潮、目の充血など
治療としては熱を冷まして、痰の通りを良くしていきます。
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その他にも色々な分類があり、治療も変わってきます。
他の臓腑の影響もありますので一概にはいえませんが、このように分類をして治療していきます。
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