お灸の効能

当院では鍼と合わせてお灸を用いて治療を施しておりますが、度々お灸の効能について尋ねられることがありますのでお話ししていきたいと思います。

まず鍼灸治療の基本は身体に余分なものを取り除き、不足するものを補うことです。

身体に取り入れたものを効率よく代謝させ、また取り入れたものを澱みなく排出していくこと、身体の内側や外側を流体するものが滞りがない状態を目指して治療しているのです。

鍼は「減」という漢字と似ておりますが、身体に余分なものを減らす、取り除くという意味合いを持っている道具です。(古来は腫れた部分を尖った石で切り裂き血を排出させて治療してきたようです。)

そしてお灸は温めることで熱を補い体温を保持させるという意味合いを持っているのです。

東洋医学では冷えることは死に近づくとされているので温めることで補うという発想があったのでしょうか。

実際のところお灸は温めることで血液と体液を動かし、不足するものを補っています。

温かいものを身体に長時間近づけていると皮膚が発赤するのを体験したことがあると思いますが、あれは温めたことで血液が集まっている状態にあるのです。

温めた部分は血液成分か融解され、より動きやすくなり多くの血液や体液が行き来しやすい状態、すなわち代謝が活発になります。そのため赤くなるのですね。

しかしながら、熱を帯び過ぎている場合や水が不足しているケースでは状態をより悪化させることがあるので、お灸よりも鍼で水を誘導させた方がいいことがあります。

なんでもかんでもお灸をすれば良くなるかというとそういう訳ではないのです。

そのため当院ではセルフケアでお灸をしていただく場合は、その方にとって必要な箇所にすえて頂くようお願いしています。

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