スポーツ障害(オーバーユース)の方へ 注意点
ストイックな人ほど陥るスポーツ障害
今日はスポーツ障害についてお話させていただきます。
というのも最近スポーツによるオーバーユース(使いすぎによる障害)の患者様が多くなりましたので、この機会に記事にさせて頂こうと思ったのです。
皆さまの日ごろの生活に役立てて頂ければ幸いです。
単純な慢性疾患の患者様と違いオーバーユースの患者様は私自身治療していて歯がゆい部分があります。
オーバーユースによる障害も慢性疾患であることは変わりありませんが、炎症が酷い分治療の方向性が定まりにくく治療が難航するのです。
基本的には炎症を抑えるのを先決にして、根本治療は後から施すことになります。
また程度にもよりますが、障害が古い場合は問題が身体のあっちこっちに波及しているケースがほとんどです。
そのため症状も複雑に絡み合い治療も困難になります。
また患者様もストイックな傾向がみられますので、良くなったらすぐに運動を再開してしまい炎症が戻ってしまう方が多いです。
その繰り返しで根本的治療に中々本腰を入れていけないのです。
私も市民ランナーでずっと走ってきましたので練習を休むことに抵抗を感じていました。
3日も走らない日が続くと、落ち着かなくなり雨が降っていてもレインコートを着て走ることがよくありました。
数年前に大雪が降って1週間程道が使えなかった時は、長くつを履いてランニングしたのはいい思い出です。
月に平均すると300~400㎞を走ることを目標にしていましたので、1日最低でも10㎞は走らなくてはなりません。週に1度休むとしたらその分多く走らなくてはいけなかったので休んでいる暇などなかったのです。
誰にやれと言われたわけではありませんでしたが、当時は走れないことにストレスを感じていました。
そんなある日。いつもは犬の散歩の際にランニングシューズを履いていくのですが、その日は仕事前だったので革靴を履いて愛犬の散歩に出かけたのです。
ウチの愛犬は走るのが好きで(私が小さい頃から走らせるように教育した)、近所の川沿いを競争するのがお決まりになっていました。
その日は革靴だったので走ろうかどうか迷ったのですが、愛犬が走りだしてしまったので、いつものように全力疾走をしたところ右膝に違和感を覚えました。
それからランニングの度に違和感があったのですが、気にせずに走っていたら腫れあがり炎症を起こすまでになってしまいました。
その時にまだ止めておけば良かったのですが、僕は休むのが嫌だったので膝にテーピングを巻きながら走っていました。
もちろん自分で鍼を打ったり灸を据えたりしていましたが毎日走っていましたので効果はイマイチでした。
段々と膝の状態は悪くなり膝を曲げるのはおろか、階段の昇り降りも厳しくなってしまいました。
そこまでいくと流石に観念して走るのを休むことにしました。
まずは3日休んでみました。
するとかなり良くなったので多少痛みがありましたが、走ってみたところ調子が良かったのでまた連日走ったらまた症状が戻ってしまいました。
そんなことを繰り返しながら結局完治するのに1年半程かかってしまいました。
その時の教訓として、まず身体に違和感を感じた時に休むことが大事だと感じました。
結局その時にしっかりと休養を取っていれば怪我には繋がらずに済んだと思います。
無理して走った結果、問題が足以外にも及んでいたので自分では治療できずに鍼灸治療を受けにいきました。
もちろんその期間は全く走りませんでした。
同時に筋力の低下があったのでウエイトトレーニングで下半身の強化をしたところ膝の痛みは完治しました。
痛みを発症してから完治まで1年半ほどかかりましたが、本格的に治療に取り掛かり2か月ほどは走りませんでした。(ウエイトトレーニングのみ)
このようにオーバーユースによるスポーツ障害を治すには覚悟がいります。
私も身をもって経験しているので治療をしていて難しさを感じております。
休めばいいじゃん!と簡単に思われる方もいるかもしれませんが、運動が生きる糧になっている方にとって休むことはとてもつらいことです。
私もその気持ちはよく分かるため積極的に休むようには言いません。
治療家としてできるとこまでやらせて頂く所存でございますが、早く治すのであるならば一番は休むことです。
是非ご思案くださいませ。
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