鍼は深く刺さした方が良いのか?
患者さんから鍼は深く刺した方が効果があるのでしょうか?という質問をよく受けることがあります。
結論から言うとそうとは限りません。
むしろ深く鍼を入れることでかえって効果が半減したり、症状が悪化することでさえあり得るのです。
鍼の古典医学書である黄帝内経では刺入の深さについて、季節や患者の体力、病の特性や存在する深さによって変えていく必要性があることを指南しています。
古来から多くの鍼灸家は臨床を踏まえてそのような工夫を施して治療をしてきました。
沢山深刺しをしてきたのにも関わらず何故病が治らないのだろう?
そして色々と試行錯誤をしながら、ケースバイケースで鍼の深さをコントロールすべきだという答えにたどり着いたのです。
では鍼を深く刺さなくてはいけないケースはどのような時でしょうか?
それは瘀血といった慢性的な血行不良が存在していて、体表面の気血の循環を促しても中々取れていかないケースです。
多くは体表面の気血の循環を促せば取れていくものですが、瘀血がきつく直接鍼を当てなくては取れていかないものもあります。
ほとんどの場合は全身の気血の調整をすれば改善していくものばかりなので、当院ではほとんど鍼を深く刺すことはありません。
また鍼がある程度の深さに到達するとびーんっと響くことがあります。
これが人によっては気持ち良く感じることもあるそうですが、その気持ち良さに委ねて鍼を刺していると痛い目に合うことがあるので要注意です。
体力が充実している方にはある程度粗暴な鍼をしても大丈夫ですが、体力が落ちている方には深刺しはよくありません。(当院では主に刺さない鍼を用いて治療していきます)
その見極めをするために鍼灸師は様々な角度から患者さんの病態を把握していくのです。